エナジー・イン・ルーラル(EIR)
2021-2023
Energies In the Rural (EIR)
2021-2023
ACAC(日本) x Liminaria(イタリア)コラボレーション・プロジェクト
Energies In the Rural (EIR)
オーガナイザー:国際芸術センター青森/ACAC)+Liminaria(イタリア)
監修:村上 綾(ACAC学芸員)、レアンドロ・ピサノ(Liminariaキュレーター)、四方幸子
アーティスト:三原聡一郎、ニコラ・ディ・クローチェ
グローバル化が進む現在において、田舎(地方都市)は経済的、社会的、政治的、文化的に重要性を増しています。田舎に対する認識は変わりつつあり、放棄や孤立から、グローバルな大都市資本主義に代わる新しい発展の可能性として再評価されています。そのような中、田舎から地理的位置や文化的差異を超えて、特定の政治的位置を定義することで、都市との新しい関係性を創出することが求められています。21世紀に生まれた「人新世」という地質用語は、近代以降に人間が地球に及ぼした取り返しのつかない環境汚染を表すとともに、人間中心主義の世界観を私たちに問い直しています。このような時代において、自然豊かな環境でじっくりと「聴く」実践やテクノカルチャーを基盤にした新たなアートの取り組みは、そこに住む人々にかつてない自然や地域との出会いを生み出す可能性を秘めています。「Energies In the Rural」(以下EIR)における「エナジー」は、風や太陽光、地球の胎動など自然のエナジー、電気やガスなど人工のエナジー、人間や人間以外の存在の持つ物質的・精神的エナジーなど、広義の意味に開かれています。世界は、生態系やコミュニティに影響を与え、変換する際に作用するさまざまなエナジーの相互作用によって成立していますが、私たちが普段それを感じることはほぼありません。本プロジェクトでは、これら見えない「エナジー」をリサーチし、アートとして可視化・可聴化することをテーマとしています。見えない存在としてのエナジーが、世界の見方、ひいては田舎の見え方を変えていくダイナミックなプロセスとなるのです。本プロジェクトは、日本の青森県と南イタリアのフォルトーレベネベント(Fortore beneventano)という、地球上で遠く離れた位置にある2つの田舎の地域において、今年度から3年間をかけて発展的に展開していきます。パンデミックによって移動が制限される中、アーティストたちは、まずヴァーチャルに出会い視察をし、その後実際に現地を訪れる中で、相互の共通点や相違点を検討しながらプロジェクトを発案し制作を進めます。プロジェクトは、現代美術、サウンド、メディアアートそして科学を横断し、地域とつなげ、田舎の未来を提案する場となることでしょう。 オンラインと実空間でのハイブリッド形式のマイクロレジデンシー(短期間の滞在)、ワークショップやトークの開催、それらのアーカイブ化や出版も予定しています。
* * *
青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC):国際芸術センター青森は、アーティスト・イン・レジデンスプログラムを中心事業として2001年に開館。国内外からアーティストを招聘し、時代を担う新たな芸術環境の場とし、さまざまな芸術創作や鑑賞の機会を提供する。また、芸術作品の作り手であるアーティストと学生や市民との多様な交流を図りながら、青森市独自の新しい芸術文化を作り上げることを目的としている。http://www.acac-aomori.jp/
Liminaria(リミナリア):Liminaria/Interferenzeニューアートフェスティバル(2003年-)は、サウンドアートやテクノカルチャーを介して田舎の地域をダイナミックでアクティブに再形成させることを試みるリサーチとアートの実践的プラットフォームである。2014年より、南イタリアのベネヴェント、カンポバッソやフォッジャという都市を擁するフォルトーレ地域においてサステナブルな文化、社会、経済的ネットワークを開くために、フィールドワークを主とした リサーチプロジェクト「Liminaria」を展開。Liminariaでは、地域のコミュニティとともに企画や「アクション」を実施、地域資源を活用しながらダイナミックな場所として田舎を活性化していく。アクションは、文化的なイベントやパフォーマンス(国際的なサウンドアーティストの滞在プログラムを含む)に加え、地元の学校との中期的な共働プロジェクト、ネットワークの最適化やニューメディア関連のイニシアティブ、ハイブリッドで実験的なリサーチまでを含む。https://www.liminaria.org/
* * *
[イベント]
オンライントーク「エナジー・イン・ルーラル(Energies in the Rural/EIR)」
2021/7/11 21:00-23:00 (JST)
スピーカー:ニコラ・ディ・クローチェ(アーティスト)、三原聡一郎(アーティスト)、四方幸子、村上綾(ACAC Aomorri)、レアンドロ・ピサノ(Liminaria) *日英逐次通訳
2021/7/31 2021 16:30 (CEST)
“EIR (Energies in the Rural)” at Liminaria MMXXI- talk with Yukiko Shikata (online)
*英語 (下にリンクあり)
2021/7/31 2021 16:30 (CEST)
“EIR (Energies in the Rural)” at Liminaria MMXXI- talk with Yukiko Shikata (online)
*英語 (下にアーカイブへのリンクあり)
* * *
[2021年度] オンライン・リサーチ&ディスカッション&既存作品の発表
1. オンライン・ディスカッション:5月〜2022年1月まで隔月で開催(計5回)
2. オンラインでの既存作品発表
3. オンラインでの継続的リサーチ
4. 夏に開催予定のLiminaria Festivalへの参加
[2022年度] 日本アーティスト訪伊+オンライン・リサーチ&作品展開(work-in-progress)
1. 日本のアーティストの南イタリア滞在:現地リサーチおよび作品の一部を発表
2. イタリアのアーティスト:リサーチ&作品発表(オンライン)
3. オンライン・ディスカッション
[2023年度] イタリアアーティスト来日+オンライン・リサーチ&作品発表
1.イタリアのアーティスト青森ACAC滞在:現地リサーチおよび作品の一部を発表
2. 2023年秋頃に両国のアーティストによる展覧会&WSの開催
3. 展覧会に合わせ、ACAC+Liminaria主催のEIRフォーラムを開催
Organizers: ACAC, Aomori + Liminalia (Italy)
Supervisors: Aya Murakami (ACAC Curator), Leandro Pisano (Liminaria Curator), Yukiko Shikata
Artists: Soichiro Mihara, Nicola di Cloce
Rural territories are acquiring increasing importance in the context of the planetary economic, social, political and cultural processes of the contemporary era. This phenomenon is changing the perception of rural areas themselves, which from territories of abandonment and isolation are now being re-evaluated as a possible new achievement for development and anthropization that is alternative to global metropolitan capitalism.
Ruralism now opens up to new perspectives, in which it finds space for the definition of a specific political position, regardless of the geographical position or cultural differentiations, finding in its own territorial ecosystem the definition of a new position in tension with the urban element. In this context art, listening practices, technocultures become critical and analytical devices with respect to this transformation process that offers unexpected relief to rural areas in the Anthropocene. EIR is a project focused on two specific rural areas located in distant points of the globe, but united to be part of this ongoing process of territorial
transformation. The region of Aomori, in Japan, and the area of Fortore beneventano, in Southern Italy, thus become places of experimentation through the languages of contemporary art, sound practices, new technologies, to open up the space for critical reflection on changes in rurality on a local and global scale. EIR aims specifically at investigating invisible forces that operate in impacting and transforming ecosystems and
communities, such as energy: earth sounds, earth signals, human and non human corporeal energies.
This project, developed over a period of three years, will include a series of cultural actions on both territories: artistic micro-residences, workshops, meetings, publications, also experimenting hybrid formats between virtual and in presence practices, implementing an emergency strategy due to the limitations caused by the pandemic.
July 11, 2021 14:00-16:00(CEST)/21:00-23:00(JST)
An inaugural talk (online) of "Energies in the Rural”
Participants: Soichiro Mihara (Artist), Nicole di Cloce (Artist),Yukiko Shikata, Aya Murakami (ACAC Aomori) Leandro Pisano (Liminaria). *English/Japanese
July 31, 2021 16:30 (CEST)
“EIR (Energies in the Rural)” at Liminaria MMXXI- talk with Yukiko Shikata (online)
*English (Archive link below)