アトピック・サイト(通称)
1996
Atopic Site (aka)
1996
ギャラリー GALLERY 〜21世紀への都市芸術プロジェクト〜
・美術展覧会「アトピック・サイト」
1996年8月1日〜8月25日
会場:国際展示場・東京ビッグサイト 西展示棟 西3ホール
・活性化プロジェクト「オン・キャンプ/オフ・ベース」
1996年8月10日〜19日
会場:国際展示場・東京ビッグサイト 西展示棟 西4ホール
・インターネットプロジェクト「TOKYO・アート・ゾーン」
1996年8月10日〜19日
http://www.gol.com_taz/ (会場にも端末を設置)
主催:TOKYOシーサイドフェスタ’96アートプラザ実行委員会
キュレーター:柏木博、建畠晢、高島直之、岡﨑乾二郎、四方幸子
制作統括:電通・博報堂 ギャラリーJV事務局
全体構想を牽引した岡崎乾二郎は、広大な見本市空間を逆手に取り、当時普及し始めていたインターネットのメタファーを適用、会場をブラウザ、デスクトップ、展示物をインデックス、端末とみなし、展示も現場で作られるのでなく、外から持ち込まれ一時留まり戻っていくプロセス的なものと位置づけた。
「アトピック・サイト」展は、個々の場所の問題に取り組むアーティストの6つの「活動」で構成、ムルヨノはインドネシアの農村文化の危機を扱い、OCEAN EARTHは水中用環境浄化装置とインフォベースで東京湾の水浄化を提案、FAMAは内戦下のサラエボで工夫された生存のための知恵や技術を展示した。ヴァディム・ザハロフは、こどもの夢を実現するため行った冒険プロセスを展示、スザンヌ・レイシーは、米国で実施した若者と警官のバスケット試合の現場を再現した。シュー・リー・チェンは、2カ月間沖縄に滞在し、小さな記憶を蝶のように発信する《ELEPHANT CAGE BUTTERFLY LOCKER》を発表した。
活性化プロジェクト「オン・キャンプ/オフ・ベース」は、主に岡崎のネットワークから集まった40組以上の若手が参加、場所を提供し自主管理とする「市民の文化祭」戦略を取った。広い展示空間をトラックやコンテナのパーキングそして展示で活用するとともに、外に繰り出し各所でプロジェクトを展開する仕組みである。多くの作品が、日常と社会の境界を問い直す、今のリレーショナル・アート的なものであった。
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*以下、展覧会パンフレットより
「GALLERY」は、世界のアーティストたちが希望の地球都市の姿を考える空間です。さまざまな都市の記憶と未来を表現した世界のアーティストによる作品を紹介する美術展「アトピック・サイト」を中心に、若手アーティストたちがさまざまな手法で新しい都市芸術を提示する「オン・キャンプ/オフ・ベース」、そして「TOKYO・アート・ゾーン」では今話題のインターネット上で都市芸術に触れることができます。
1)アトピック・サイト(希望的都市生活のためのアート展)
本展は、芸術としては未分化なものが、人々の活動に溶け込みながら、その場所で生成しつつある状態を示す試みです。本展における作品は芸術そのものというよりも、芸術が関わって生成させる場所(サイト)です。そして場所とは、課題によって人々が連動することで立ち現れます。参加アーティストたちは、彼ら自身の活動の場を構成する要素を展示します。すなわちサイトとその活動の一部が会場に運ばれ展示されることにより、東京という離れた場所で一時的に新たな芸術を生成し、展開させていきます。観客は持ち込まれた課題による作品に直接対面し、各々の感性で芸術を享受することになります。そして作品は、会期終了後、本来の場所に戻されて現実的な機能を果たすことになります。つまり展示作品は、その場限りで消費される一過性の情報ではありません。本展が生み出す活動と効果は展覧会という限定の場と時間を超えたものとして世界のさまざまな場所を結びつけていきます。そして世界中のさまざまな場所が持つ力をネットワークのように結びつけることで、それぞれの場所をさらに力強く生成させていくのです。
・農村のプロジェクト「奪われしものー農村文化の危機の克服のために」
サイト:インドネシア(東ジャワ・トゥルンアグン)
アーティスト: ムルヨノ
・海洋のプロジェクト
「OCEAN EARTH/TOKYO BAYーオーシャン アース/トウキョウ・ベイ」
サイト:ジェノバ湾/東京湾
アーティスト: オーシャンアース
・都市再生のプロジェクト「SURVIVAL ART MUSEUMーサバイバル・アート・ミュージアム」
サイト:サラエボ
アーティスト:ファマ
・子供の夢をかなえるプロジェクト「愚かな牧師のおかしくも悲しい冒険」
サイト:ケルン/モスクワ/スペイン/東京
アーティスト:ヴァディム・ザハロフ
・アジアのプロジェクト「アーティスト・イン・レジデンス」
サイト:沖縄
アーティスト:シュー・リー・チェン
・「NO BLOOK/NO FOULーノーブラッド/ノーファウル」
サイト:オークランド/東京
アーティスト:スザンヌ・レイシー
2)オン・キャンプ/オフ・ベース(都市生活の中に浮遊し、活力を与える新しいアーティストたち)
東京ビッグサイトという巨大空間に用意されているのは、大型トレーラーを並べた一時的な停泊場、つまり駐車場です。そして、展示作品はトラックの荷台やコンテナからはみ出して芸術空間を作り出します。作品において繰り広げられるプロセスは、その度ごとに微妙に変化し、観客はここの体験の中でしか作品を語ることができません。そして積み重ねられた過程と観客ひとりひとりの素朴な実感が巨大な展示空間を凌駕した時、物理的な空間は曖昧な空間でしかなくなります。つまり「アトピック・サイト」同様、ここでも作品は展覧会という限定された期間と場を超えて都市の中へと浸透します。そして芸術作品を都市を活性化させる装置とするプロジェクトが進行するのです。
・space A 出展アーティスト:杉本智子and西山功一、C.L.I. Project、北川裕二、アイデアル・コピー、山出淳也、シェリー・ローズ、照屋勇賢、呉伸大、八澤陽子、レベッカ・ウォーレン
・space B 出展アーティスト:藤浩志、ART CLUB、国民投票、兒玉千津、大榎淳+FIU Japan(国際自由大学)、開発好明、高安利明・塩川岳
・space C 出展アーティスト:稲吉稔・堀口一也・古郷卓司
・space D 出展アーティスト:p3、会田誠、眞島竜男、フィリップ・ライ、八谷和彦
・space E 出展アーティスト:ユン・ヨン・ソク、鳴海暢平withディラン、木村稔、PHスタジオ、白井美穂、エドワード・スミス、スキップ・アーノルド
・space F 出展アーティスト:小沢剛、宮前正樹、ボブ&ロベルタ・スミス、謝琳、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニ、HCS+KAI (Handicapped Consumer Service+工房絵)、大鹿智子+素晴らしき人たち、津田佳紀・ジ アトラクション オブ エコノミック フリーダム アンド ポリティカル フリーダム、小林豊、FAR TARGET BIG MARON(遠山詩子、的x晶子、大野千佳子、栗原元)、谷口博威
・会場内各所に点在:井崎聖子+田島鉄也+相原理歩
3)TOKYO Art ZoneーTOKYO・アート・ゾーン(インターネット空間の芸術を散策するプロジェクト)
本展「ギャラリー」は、インターネットにおける新たな世界関係のあり方、新たな世界像構築に示唆されています。つまりインターネット上でサイトと呼ばれる場所はひとつの領域に区切られる場所ではなく、ネットの結び目であり端末に過ぎません。すなわち本会場はひとつのブラウザ、デスクトップであり、展示作品はインデックス、端末です。そして会場(ブラウザ)を通して世界の異なるサイトが結びつけられるのです。このコンセプトの基本に則り、実際のインターネット上にホームページを開設しました。本展に関する基本的な情報の紹介はもちろん、まさに期間と空間の限界を超えて、電子ネット上に散在するサイトを結びつけます。これにより世界中の美術関連サイトから、アーティスト情報や美術館情報など、芸術に関わるさまざまな情報を入手できます。
[公開シンポジウム]
Session 1「A TopicなTopicを巡って」
8月10日 2:00-4:00pm 東京ビッグサイト 西展示棟 西3ホール内
第1部 アーティストトーク:「アトピック・サイト」展参加アーティスト
第2部 キュレーターシンポジウム:本展キュレーターおよびゲストパネラー、アーティスト
Session 2「Pimple Life ピンプル・ライフ」
8月17日 6:00-8:00pm 東京ビッグサイト 西展示棟 西4ホール内
本展キュレーター岡﨑乾二郎とともに「オン・キャンプ/オフ・ベース」展の作品鑑賞ツアー+ゲストレクチャー
GALLERY ~ City Art Project for 21C
Art Exhibition “Atopic Site”
August 1 - 25, 1996
Venue: West 3 Hall, West Exhibition Building, TOKYO BIG SIGHT - Tokyo International Exhibition Center
Activation Project “ON Camp/Off Base”
August 10 - 19, 1996
Venue: West 4 Hall, West Exhibition Building, TOKYO BIG SIGHT - Tokyo International Exhibition Center
- Internet Project “Tokyo Art Zone (TAZ)”
August 10 - 19, 1996
http://www.gol.com_taz/
Organizer: Tokyo Seaside Fest ’96 Art Plaza Executive Committee
Curators: Hiroshi Kashiawagi, Akira Tatehata, Naoyuki Takashima, Kenjiro Okazaki, Yukiko Shikata
Production: DENTSU Inc. - HAKUHODO Inc. - Gallery JV Office
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1) Atopic Site
Moelyono “What was Robbed - To overcome the crisis of Rural Culture”
Site: Indonesia
OCEAN EARTH
“OCEAN EARTH / TOKYO BAY”
Site: Genova Bay, Tokyo Bay
FAMA “SURVIVAL ART MUSEUM”
Site: Sarajevo
Vadim Zakharov “Funny and sad adventuries of Foolish Pastor”
Site: Cologne, Moscow, Spain, Tokyo
Artist in residence Project
Shu Lea Cheang “Elephant Cage Butterfly Locker”
Site: Okinawa
Susanne Lacy “NO BLOOK/NO FOUL”
Site: Oakland, Tokyo
2) Activation Project "On Camp / Off Base”
“On Camp / Off Base” Exhibition (1996)
TOKYO BIG SIGHT - Tokyo International Exhibition Center
space A: Tomoko Sugimoto and Koichi Nishiyama, C.L.I. Project, Yuji Kitagawa, Ideal Copy, Junya Yamaide, Sheree Rose, Yuken Teruya, Shindai Kure, Yoko Yazawa, Rebecca Warren,
space B: Hiroshi Fuji, ART CLUB, Referendum, Chizu Kodama, Jun Oenoki+FIU Japan, Yoshiaki Kaihatsu, Toshiaki Takayasu&Gaku Shiokawa
space C: Minoru Inayoshi&Kazuya Horiguchi&Takushi Kogo
space D: p3, Makoto Aida, Tatsuo Majima, Philippe Rye, Kazuhiko Hachiya
space E: Yung Yoon Sok, Nobuhira Narumi with Dyran, Minoru Kimura, PH Studio, Mibo Shirai, Edward Smith, Skip Arnold
space F: Tsuyoshi Ozawa, Masaki Miyamae, Bob’Roberta Smith, Chelin, Nina Fischer&Maroann El Sani, HCS+KAI (Handicapped Consumer Service+Kobo E), Tomoko Oosa+Subarashiki Hitotachi (Wonderful People), Yoshinori Tsuda&The Attraction of Economic Freedom and Political Freedom, Yutaka Kobayashi, FAR TARGET BIG MARON, Hiroshi Taniguchi
Several locations in the exhibition space: Seiko Izaki+Tetsuya Tajima+Riho Aihara
3)TOKYO Art Zone (online)