Photo: Kazumi Takahashi
Courtesy of YCAM

Photo: Kazumi Takahashi
Courtesy of YCAM

Photo: 伊奈英次
Courtesy of YCAM

Photo: Eiji Ina
Courtesy of YCAM

Photo: 伊奈英次
Courtesy of YCAM

Photo: Eiji Ina
Courtesy of YCAM

Photo: アーカイ美味んぐ
Courtesy of YCAM

Photo: ArchiBIMIng
Courtesy of YCAM

Photo: アーカイ美味んぐ
Courtesy of YCAM

Photo: ArchiBIMIng
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Photo: アーカイ美味んぐ
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Photo: ArchiBIMIng
Courtesy of YCAM

Photo: アーカイ美味んぐ
Courtesy of YCAM

Photo: ArchiBIMIng
Courtesy of YCAM

山口情報芸術センター開館記念 「アモーダル・サスペンションー飛び交う光のメッセージ」

2003

YCAM Opening Project: Rafael Lozano-Hemmer "Amodal Suspension"

2003

山口情報芸術センター[YCAM] 開館記念プロジェクト
ラファエル・ロサノ=ヘメル《アモーダル・サスペンションー飛び交う光のメッセージ 》
会期:2003年11月1日-24日
時間:夜間
場所:山口情報芸術センター 周辺屋外(中央公園)+www.amodal.net
*メッセージ送信は24時間可能。
主催:財団法人山口市文化振興財団
共催:山口市、山口市教育委員会
後援:カナダ大使館、山口県、山口県教育委員会、財団法人山口県文化振興財団
助成:カナダ外務・国際貿易省
協力:NPOコミュニティデザイン協議会
協賛:松下電器産業株式会社、株式会社ファーストリテイリング
制作:山口情報芸術センター
*「リレーショナル・アーキテクチャー 8」
*カナダをはじめとする海外スタッフとYCAMを含む日本側スタッフによる国際共同制作

[関連イベント]
レセプション 11月1日18:45 点灯セレモニー
*最初のメッセージは、国際宇宙ステーションのスペイン人宇宙飛行士ペドロ・デュケ氏より「「日本に現れた新しいオーロラを祝福します」、次に日本科学未来館館長毛利衛氏より「地球は真っ暗闇の宇宙に太陽光によって青々と輝く『まほろば』です」と発信された

レクチャー・シリーズ 〜プロジェクトをめぐる背景を考える
11月2日 19:00-22:30 アモーダル・サスペンション開催記念レクチャー+シンポジウム
「プロジェクトをめぐって〜情報化社会とマルチカルチュラリズムの行方」出演:ラファエル・ロサノ=ヘメル、ブライアン・マスミ(モントリオール大学コミュニケーション学科助教授)、毛利嘉考(九州大学大学院比較社会文化研究員助教授)、モデレーター:四方幸子(ゲストキュレーター/東京造形大学特任教授)+阿部一直(YCAMキュレーター)
11月9日 14:00 「ホタルのハナシ」講師:平野慎吾(ホタル飼育家)
11月15日 19:00 「柔らかいシェルター〜都市の電子情報ネットワークと手書き地図」講師:鈴木明(建築・都市ワークショップ主宰、神戸芸術工科大学教授)
11月22日 19:00 「象徴としての光—都市と光の歴史をめぐって」講師:田中純(東京大学大学院総合文化研究科助教授)

本来、目に見えないはずのコミュニケーションが、電子通信技術によって大きなスケールに可視化され、ここにいる人々とインターネットで参加する世界の人々によって、リアルタイムでつくられるパブリックアート・プロジェクト。センターの周辺に20基のサーチライトを設置、携帯電話やインターネット、センター内の情報端末から送信されたテキストメッセージ(日英)が、明滅する光の信号となり空中に発信される。1つのライトから光が発信されると、別ライトからも光が放たれ、上空で2つが交差すると<飛光通信>が実現する。光は次々と別ライトへリレーされ、上空に光の網目(メッシュ)が形成されていく(誰もメッセージを送らない場合、光はなく暗闇に包まれる)。空を飛び交うメッセージは、Amodal Suspension(誰にも属さない宙吊りモード)となっており、世界中から誰でもライトを指定することでキャッチし読むことができる(日英自動翻訳)。ボタンのかけ違いのように、特定の人に宛てたメッセージさえどこかの誰かに先に読まれ、その人にとっての意味を生成する(その後生まれたTwitterを想起させる)。自動翻訳は、方言やスラングも多く、当時の技術の拙さも手伝い不完全になりがちだが、むしろそれが詩的でチャーミングな意味をもつ。それによって本プロジェクトは、高速や機能性が優先されるコミュニケーションの背後に潜む創造的側面を批評的に露わにした。受信されたメッセージは、センター入口正面に大きく表示され、またアーカイブとなって検索でき、誰もが読むことができた。インターネットの専用サイトでは、ライトがリレーされる様子のシミュレーションや市内各所に設置された遠隔カメラからの中継映像を見ることができた。プロジェクトは、秋の山口の日没から夜明けまで24日間毎夜展開され、サーチライトは遠方からも見ることができた。光のメッセージが空中を循環していくアイデアはホタルの交信から発想、地元元の一の坂川がホタルで有名なことを念頭に置いている。ロサノ=へメルはまた、飛び交うメッセージが受け取る側に異なる意味や印象をもたらす側面を、神社のおみくじから発想している。地域や日本の伝統に新しいネットワーク技術を融合させ、非物質的な光が作り出す空間を各人に開き、ともに共有できるこのプロジェクトは、新しい公共空間や記憶の可能性を投げかけた。

YCAMサイトより
「アモーダル・サスペンション」は、山口情報芸術センター(YCAM)の開館記念事業の中心企画として、YCAMの委嘱によって製作されたインタラクティヴ・プロジェクトです。11月1日から24日までの開催期間中、携帯電話やウェブブラウザ経由でプロジェクトのウェブサイトにアクセスしていただき、ショート・テキスト・メッセージを送信いただけます。メッセージは文字として直接届けられるのではなく、20個のロボット制御されたサーチライトの点滅にいったん変換され、YCAMおよびその周辺の天空にコミュニケーションによる光の網の目を出現させます。このプロジェクトは94カ国から40万を超えるビジターからのアクセスがありました(79%が日本からのアクセス)。プロジェクト実施期間中には、ビジターから630万を超えるサーバーリクエスト、およそ1万件のメッセージを受け付け、50ギガバイトを超えるデータがダウンロードされました。

YCAM Opening Project
Rafael Lozano-Hemmer “Amodal Suspension”
Relational architecture 8
November 1-24, 2003 (Night time)
Venue: YCAM and the central park, Yamaguchi city + www.amodal.net
*Message can be sent 24 hours.
Organizer: Yamaguchi City Culture Promotion Foundation
Co-organizer: Yamaguchi city, Board of Education of Yamaguchi City
Support: Embassy of Canada, Yamaguchi Prefecture, Board of Education of Yamaguchi Prefecture, Yamaguchi Prefectural Culture Promotion Foundation
Financial support: Ministry of Foreign Affairs and International Trade, Canada
Cooperation: NPO Community Design Council
Sponsor: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd., First Retailing Co., Ltd.
Production: Yamaguchi Center for Arts and Media
*International production with Rafael Lozano-Hemmer’s technical team (Canada, Spain, USA), YCAM staffs and Japanese programmers.

*The first message was sent by Pedro Duque, an astronaut from ISS, followed by Mamoru Mohri, Director of Miraikan (National Museum of Emerging Science, Tokyo).

“Amodal Suspension” is a large-scale interactive public art project where people can send short text messages by using a cell phone or web browser. There were twenty robotically-controlled searchlights around YCAM in Central Park, and the messages are encoded as unique sequences of flashes, bouncing around from searchlight to searchlight, turning the sky into a giant switchboard (without messages, the sky is dark). Messages in the sky is amodally suspensded ready to be caught and read by anyone with a cell phone or a 3D internet interface. The caught message is shown on the cell phone or online interface and projected on the façade of the center, and kept in data archive. Even a message was named to someone, it could be caught by other person, and generate original meaning for the receiver. This is a creative aspect of this project. (The artist had this idea when he’s got to know about “Omikuji (fortune)” in shrine and temples, and “Tanabata” tradition). The automatic translation system between Japanese and English was not advanced yet, additionally many messages were in dialects and slangs, but this incomplete translation added a charming flavor to the project. “Amodal Suspension” was a poetic project by critically asking questions the meaning of communication. On the internet site, people could watch the 3D simulation of relaying lights, and realtime view of flashing lights from remote cameras set different locations in the city. The project was open 24 days from sunset to dawn, and searchlight were recognized from distance. The idea of communication by flashing lights was inspired by the fireflies, locally fireflies in Ichinosaka Rriver in Yamaguchi. By combining local and Japanese tradition and the latest network technology, “Amodal Suspension” opened a new public sphere and space of shared memories, both for local and global participants.

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